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創業100周年へ向け海外事業への投資を拡大し企業価値を高めてまいります。代表取締役社長 黒田雅史

第63期のポイント

  • 前期に引き続き増収増益で営業利益は22期連続の増益を達成しました。
  • 期末配当は創業95周年の記念配当4円を加え7円の増配となる1株当たり37円となりました。
  • パーキング事業が当期も好調を持続し売上高・営業利益が前期を上回る好業績となりました。

第64期のポイント

  • 中核事業の自動車リース関連事業は第64期も安定した収益を確保する見込みです。
  • 経費の減少が予想されることもあってパーキング事業の大幅な伸長に期待が持てます。
  • 第64期も連結業績は増収増益の予想で営業利益は100億円を超える計画です。
  • 第63期(2025年3月期)における事業の概況をご報告願います。

    当期は「規模の拡大」「利益確保」「海外事業の拡大」を目指しグループ一体経営を推進いたしました。第63期のご報告については、まずはセグメント別に事業の概況をご説明したいと思います。
    中核である自動車リース関連事業は、その中心であるリースが、地方の中小口をターゲットに拡大を図り、順調に業績を伸ばしております。ただ、ここにきて競争の激化により純増台数がやや伸び悩んでおり、新たな課題が浮き彫りになってきました。メンテナンス受託は、契約数を伸ばしていますが、メンテナンスの原価が上昇しており、当期においては顧客への価格改定交渉があまり進展しなかったので、第64期(2026年3月期)の注力すべき点と考えております。燃料販売は、給油カードが順調に増加し、市況も安定していたため、利益確保ができました。車両販売は、前期に比べると販売台数の減少がありましたが、販売価格の上昇により、利益増の結果が残せました。
    ケミカル事業は、原材料価格の上昇に対し販売価格への転嫁を推進しました。コンシューマー製品は販売価格を値上げしたことにより苦戦を強いられました。添加剤は船舶向けが堅調でした。セグメント業績は売上・利益ともに前期を下回りました。また、懸案であった新工場の建設は、当期において着工し、2027年4月の稼動開始を目指しています。パーキング事業は、新札・新コインへの対応、非接触型精算機やフラップレスの導入など経費増となりましたが、新規獲得が順調に図れたことで、業績は前期に引き続いて好調に推移し、売上・利益ともに伸長しました。機械工具販売事業は、卸部門で不良在庫を整理しました。原価の上昇については販売価格への転嫁が進みましたが、販売数量の鈍化につながった側面も見受けられました。空調工具は好調に推移しており、連結業績に加わっていないタイの関連会社の業績も堅調でした。また、ウェブ受注を開始しており、効率化による経費削減に着手しました。
    合成樹脂事業は、遊技機部品事業が伸び悩みました。スマートパチスロ向けの需要が一時の勢いを失い、スマートパチンコ向け需要が伸びなかったことが要因です。半導体実装装置メーカー向けのセラミックヒーターは、当期も順調に推移しました。もう一つの柱である自動車用内外装部品製造・販売事業は、国内が販売価格の改定により利益面を伸ばした一方で、タイでの事業が新車製造の減少に伴う需要減の影響を受けました。また、製造に関し、環境への配慮から従来のメッキに代わる新たな技術を開発中で、今後の進展に期待しております。なおセグメントの業績は増収減益となりました。
    農業関連事業では、高知県にある自社農場でのピーマン・ミニトマトの生産が順調に進み、販売価格の上昇もあってマイナスが大幅に減少しました。前期にグループ入りした日東エフシー株式会社が展開する肥料事業は安定した収益を上げ、計画通りの業績を上げております。その他事業のガラス加工事業は、販売価格の改定が進んだことで、利益面の改善が図れ、堅調に推移しました。なお、2025年3月31日付で新設分割会社としてグループ入りした日石硝子工業株式会社の業績については、第63期の連結決算には含まれません。
    以上の結果、第63期の連結業績は、売上高154,920百万円(前期比12.1%増)、営業利益10,279百万円(前期比13.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益6,657百万円(前期比45.7%減)となり、前期と比較して増収、営業利益及び経常利益については増益となりました。おかげさまで営業利益については、22期連続の増益となっております。
    株主様への還元である期末配当は、普通株式1株当たり37円とさせていただきました。普通配当33円に、今年6月の創業95周年に伴う記念配当4円を加えたもので、前期末実績と比べ7円の増配といたしました。また、年間では70円となり10円の増配となりました。配当性向は、目標とする30%に少し足りない結果でした。

  • 今後の成長へ向けて、どのような戦略をお考えですか。

    当社グループは、長期経営数値目標として「売上高2,000億円超・営業利益200億円超」を掲げております。達成へ向けての成長戦略は「M&Aによる新規分野への参入、既存事業の強化を図る」「海外売上高比率20%を目指す」「新サービス・新商品の開発を進め、事業領域の拡大を図る」等で、「海外事業への投資拡大」「パーキング事業への積極投資」を将来へ向けての成長投資と位置付けました。
    海外事業の拡大は、当社グループにとって重要な施策です。現在、当社グループの海外拠点は、自動車リース関連事業(車両販売)のICHINEN AUTOS(N.Z.)LIMITED(ニュージーランド)、機械工具販売事業の蘇州豊島機械配件有限公司(中国)・ICHINEN USA CORPORATION(アメリカ)・TASCO(THAILAND)CO.,LTD.(タイ)、合成樹脂事業のMARUI SUM(THAILAND)CO.,LTD.・MARUI INDUSTRY(THAILAND)CO.,LTD.(ともにタイ)で、各事業の進展はもちろんグループシナジーによる拡大を推進しています。また、国内での事業展開にとどまっているパーキング事業や農業関連事業の肥料販売も海外で展開できる可能性があるのではと考えており、進展するようであれば、東南アジアにグループ拠点設置の必要性が増してくるとの認識をしております。
    M&Aに関しても、海外に拠点を有する国内企業にこだわらず、海外資本の企業でも条件さえ揃えば積極的に取り組んでまいります。さらに海外で活躍できる人材の育成については、人数的にはまだまだ少ないのですが、現在は、3ヵ月単位の派遣で研修させているところです。

  • 第64期(2026年3月期)についてどのような見通しを立てておられますか。

    第63期を鑑みるに、販売価格を値上げしたこともあって、利益は確保できましたが、販売数量が減少したというケースが各事業で見受けられました。第64期は数量にこだわって目標を達成してもらいたいと考えております。各業界でのシェアアップは大切であり、しっかりとしたポジショニングを確立できれば、持続性の高い事業展開をしていく条件が整ってまいります。
    事業の見通しについても、セグメント別にご説明いたします。自動車リース関連事業は、リースの安定した伸長が期待できます。メンテナンス受託は、原価の上昇が予測され、価格改定がカギになります。燃料販売は第63期ほどではないかもしれませんが、一定の利益が確保できる見通しです。車両販売は、車両の確保がテーマとなります。
    ケミカル事業は、生産量を増やして製造原価を下げ、販売量を増やす方針です。また、他の事業会社との協業による新規事業分野の製品開発等にも取り組んでまいります。
    パーキング事業は、新札・新コインへの対応が前期でほぼ終了したので、経費が下がり、引き続き順調に推移していくことが予想されます。第64期は、新規コインパーキングの獲得に注力してもらいたいと思っています。機械工具販売事業は、空調工具が堅調に推移していくと予想され、それ以外の事業部門での拡大がテーマです。合成樹脂事業は、遊技機部品事業でスマートパチンコの需要がようやく本格化するのではと期待しております。自動車用内外装部品製造・販売事業は、アメリカの自動車メーカーからの受注に注力しており、獲得できればタイの生産ラインを使って製造する計画です。農業関連事業の肥料事業は当期を上回る業績見通しを立てています。その他のガラス事業は、勢いのある東京を中心とした首都圏の建築需要を取り込むことで、増収増益を目指してまいります。
    連結業績の見通しについては増収・営業増益を見込んでおります。創業95周年を迎える第64期は、100周年へ向けての新たなスタート年となります。持続性の高い成長を続け企業価値を高めて、長期経営数値目標の達成を目指してまいります。
    株主の皆様におかれましては、より一層のご支援・ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

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