日本でもSDGsに対する取り組みはさまざまな形で取り組みが行われています。特に経済界では経団連が2017年11月に行動企業憲章を改訂し、Society5.0のコンセプトのもと、SDGsに本気で取り組む姿勢を打ち出しました。このため、大企業を中心にSDGsに取り組む企業が増えてきています。
SDGsに積極的な企業は就活者にも人気の大手企業が多い
キャリタス就活2023によると、就活者が「SDGsへの意識が高いと感じている企業」に挙げたのは以下の通りです。
①損害保険ジャパン(総合ランキング1位)
②トヨタ自動車(総合ランキング11位)
③三井住友海上火災保険(総合ランキング4位)
また、キャリタス就活2023の調査で総合ランキング2位の東京海上日動火災保険はSDGsランキング10位、総合ランキング3位の伊藤忠商事はSDGsランキング6位に位置するなど、就活者にとって人気の企業がSDGsランキングの上位に位置していることが伺えます。企業活動が社会問題の解決につながり、大きなやりがいを持って取り組めるという点で、就活生へのイメージ向上にもつながっているようです。
さまざまな分野でSDGsが導入されている
SDGsは企業活動のさまざまな分野で導入されています。
例えば、岡山県で障害福祉サービス事業及び地域生活支援事業を手がける株式会社土屋では「4.質の高い教育をみんなに」という目標に対して「シンクタンク部門を創設する」など、SDGsの17の目標を自社の取り組みとして具体的に落とし込んでいます。
また、みずほフィナンシャルグループでは2021年10月にサスティナブルファイナンス商品である「みずほサステナビリティ・リンク・ローンPRO」の提供を開始しました。
このように企業ではSDGsをCSR(Corporate Social Responsibility)の一環として、あるいは商品やサービスに取り込むなど、さまざまな分野でSDGsに取り組んでいます。
女性の積極的な登用に取り組んでいる企業が多い
企業のSDGsへの取り組みは人事活動にも現れています。
大阪の調査会社であるMILKBOTTLE SHAKERSは2021年7月に25歳〜40歳の一般企業に勤める人事担当者約100人を対象に「SDGsに関する意識調査」を行いました。それによると、各企業が実践している推進活動として行われているのが以下の通りです。
①女性の積極的な活用(54.7%)
②環境に配慮した商品・サービスの提供(50.9%)
③福利施設の充実(45.3%)
最も多かった「女性の積極的な活用」はSDGsの目標の1つである「ジェンダー平等」を意識し、人事面にも反映していることを裏付けた結果と言えそうです。
意識調査を行った企業の約3割はSDGsをアピールしている
「SDGsに関する意識調査」では、「人事面(社内の雰囲気醸成・採用等)において、企業のSDGsアクションは重要であると思いますか」という質問に対して約3割は「企業がSDGsに積極的であることをアピールする動きは重要」だと答えています。
その理由は以下の通りです。
●働き方改革の現状を示したい(54.5%)
●企業のビジョンを具現化したモノとして示したい(53.4%)
●環境意識が高い企業であることを示したい(37.5%)
企業にとってSDGsに積極的であることをアピールする動きは非常に重要と考えているようです。それは働き方改革や企業のビジョンの具現化などが理由として挙げられています。