一般的に、法人向けの営業職で活躍できる人材には、以下のような特徴があります。
《人とのコミュニケーションが好き》
クライアントとの折衝や社内調整など、円滑な関係構築は業務の基本となるため
《活動的な仕事が好き》
日々のクライアント訪問など外出が多いため
《分析に基づき、ロジカルに戦略を立てられる》
顧客開拓のための市場調査など、マーケティング業務を行う場合もあるため
《資料作成などのデスクワークも苦ではない》
クライアントへのプレゼン資料を作成することも業務の一部であるため
《大きなお金を動かしてみたい》
精密機器など高額商材の取り扱いや官民一体のビッグプロジェクトなど、大規模な案件に関わることが多いため
法人営業に活かせるスキルや資格
営業業務に活かせるスキルや資格は、法人・個人に関わらず共通するものが大半ですが、強いて法人営業に活かせるスキルやポイントを特記するならば、下記が挙げられます。
コミュニケーションスキル
商品・サービスを気持ちよく発注してもらうには、いきなり自社商材を提案するのではなく、相手のニーズや課題を明確に把握するためのヒアリングが必要です。そこで重要となるのが、相手に胸襟を開いてもらうためのコミュニケーションスキルです。相手の本音を聞き出すために「こんなことでお困りではないですか?」と的確に切り込んだり、心地のよい相槌を打って話しやすい雰囲気を醸成したりしながら、信頼を獲得していく対人能力は営業にとって必要不可欠です。
そして、ここで言うコミュニケーションには「成約」という明確なゴールがあるため、単に会話を盛り上げるだけでなく、自分が伝えたいことを「伝えるスキル」も重要な側面です。商材の魅力や、競合他社との優位性、今契約するメリットなどは、相手に理解してもらい、納得してもらう必要があります。営業職で活躍する人材は、相手のリアクション(表情などの非言語コミュニケーションを含む)を常に観察しながら、「何を」「どんな言葉で」「どんなタイミングで」伝えればよいか、工夫を凝らして商談に臨みます。論理的なタイプには数値を交えてロジカルに話す、情に厚いタイプには情熱が伝わるようなエピソードを交えるなど、相手に合わせた伝え方を選択する必要があります。
また、個人営業とは違い、必ずしも決裁者と直接折衝できるとは限らないため、契約に至るプロセスの中で、どんな立場の方を説得しなければならないかを視野に入れ、複数回の社内承認を得られるまでコミュニケーションを取り続けるが忍耐力も欠かせません。
資料作成スキル
打ち合わせ時に持参する資料が、端的でわかりやすいつくりになっていることは、受注への大きな一歩となります。その資料に沿って打ち合わせを進めていくわけですから、読みやすくてわかりやすい文章で表現されている、適切な図版やデータを用いてパッと伝わる工夫がされている資料作りのスキルは大いに役立ちます。
打ち合わせ時間内に説明しきれなかった内容は、全て資料を通じて伝えることになる上、担当者から決裁者へ稟議を上げる際も、その資料が重要な営業資料となります。
プレゼンテーション・提案スキル
法人営業では、大人数に向けて提案内容を説明したり、コンペに参加してプレゼンテーションをする機会も多くあります。この場合、上記の資料作成スキルに加えて、限られた時間内に、要点を押さえてわかりやすく話すスキルや、ユーモアを交えるなど雰囲気づくりのスキルも必要になってきます。
さらに、複数の部署・異なる役職の方が参加されている場では、それぞれの立場からの懸念点を払拭し、相手にとって魅力的な価値提供ができることをしっかりと伝えることが重要です。忙しい経営層へのプレゼンは、5〜10分程度と極端に限られているかもしれません。部署Aが評価してくれたプレゼン内容が、部署B向けには全く通用しない可能性もあります。相手の状況に合わせて、提案内容の見せ方や伝え方を変えられるプレゼンスキルは、法人営業にとってとても大切なスキルです。