営業職は扱う製品・サービスや営業方法などの違いから、以下の3つのポイントで分類できます。
1.営業顧客ごとに見た種類の違い
2.営業形態ごとに見た種類の違い
3.営業手法ごとに見た種類の違い
①営業顧客ごとに見た種類の違い
どのような相手に営業するかで2種類に分けられ、扱う商材や営業・契約に以下のような特徴があります。
【個人営業】
一般の消費者に営業します。BtoC(B2C)、D2Cなどのスタイルが当てはまります。
個人向けに自動車・家電・不動産・ソーラーパネルなどの有形商材や、教育・金融商品といった無形商材を販売します。
目の前のお客様に購入・契約の決定権があるので、すぐに購入に至るなど、法人営業より売上が出るまでスピーディーなこともあります。「この人から買いたい」が決め手になることもあるので、いち早く信頼してもらえる対応・説明などが大切です。
【法人営業】
一般企業、公的機関などに営業します。BtoB(B2B)と言われるスタイルです。
販売する有形商材はオフィスで使うパソコン・プリンター・自動車、無形商材は求人情報や人材サービスなどです。
商材の内容・規模によっては経営者層とのやりとりになるので、ビジネスマナー・提案力の高さがより重要になります。一度の営業で動く契約金額・プロジェクト規模が、個人営業より大きいのも特徴です。
②営業形態ごとに見た種類の違い
どのような売り方をするかで3種類に分かれ、何をどのように営業・販売しているか、それぞれ紹介します。
《商社営業》
自動車・電気などさまざまな企業・メーカーから仕入れた商品の営業・販売です。
手数料をもらってメーカーの代わりに取引先とのやりとりや、新規顧客の開拓などを担当します。
多様な商品を知ってはいるものの、一つひとつの商品については製造している企業・メーカーの方が細かいことまで知っているので、メーカー営業の人と営業することもあります。
《代理店営業》
自社で開発・製造・販売する商品を販売してくれる代理店の新規開拓や、自社製品のPRをします。代理店で自社製品を扱ってもらうことで、自社だけで販売するより多く売れ、売上アップを期待できます。
代理店は、他社の商品も扱います。自社の販売に力を入れてもらえるよう、商品の魅力が伝わる分かりやすいプレゼンなどがポイントです。
代理店の担当者と良好な関係を築けると、他社の新商品や販売ノウハウなどの情報を仕入れられるメリットも得られます。
《メーカー営業》
自社で製造・開発している製品を営業します。個人に営業することもありますが、基本はBtoBなので顧客のほとんどは法人です。
新規開拓と、営業して販売された後の評判や感想などをクライアントにうかがいます。自社製品の外部からの反応は、今後の製品開発に必要なものです。
③営業手法ごとに見た種類の違い
顧客の開拓方法によって、「新規開拓」「ルート営業」に分かれます。その他、訪問営業・テレアポなども、営業を持ちかける手法の一種です。
手法別に特徴を紹介します。
《新規開拓営業》
新たな取引先を開拓する仕事です。企業が売上を増やして成長を続けるには、新しいクライアントを見つけ続けることが欠かせません。
既存の顧客より断られる可能性が高いなど、購入・契約に至るまでの大変さはありますが、自身の働きかけが取引につながり、会社に貢献できたと感じられるのは魅力です。
以下のような顧客の獲得方法があります。
・テレアポ
・飛び込み営業
・セミナーや説明会の参加
・既に取引のあるクライアントからの紹介 など
《ルート営業(既存クライアント営業)》
既に取引しているクライアントに、追加の注文・契約がないかうかがい、取引を継続できるよう営業します。「ルートセールス」とも言います。
クライアントのアフターサポートも兼ねています。自社商品・サービスの感想、困りごとがないかたずね、新たな製品を提案するなどを行います。
こまめにフォローのための連絡をするなどで信頼を得ると、新たな顧客を紹介してもらえることも。
《その他営業》
・飛び込み営業、訪問営業
・テレアポ
・インサイドセールス
・テレコール など
飛び込み営業は訪問営業の一種で、アポイントなしで企業などにうかがい営業することです。先方は商品・サービスを求めていないことがある、そもそも時間がないなどで断られることもあります。
訪問営業は、あらかじめ約束した上で、お客様の所へ行って営業することです。
テレアポは、お客様と直接会って商品・サービスの詳しい説明や提案ができる機会をいただくための営業です。対面での営業が目的なので、アポの段階では商品・サービスの魅力が完結に伝わる説明が求められます。
インサイドセールスは、商品・サービスへの興味・関心の高い方に、電話・メール・Web会議システムなどで営業することです。いつでも・どこでも活動できるのが特徴です。
テレコールは、電話のみで契約まで完結する営業です。
その他、DRM(ダイレクト・レスポンス・マーケティング)という手法もあります。HP・広告などから問い合わせがあった人に、商品・サービスの詳細などを伝えて購入・契約につなげる営業です。