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就活情報ホントのトコロ

SDGsと就活の関係性は?企業側と就活者のそれぞれの視点を解説

地球規模での「持続可能な発展を目指す取り組み」として、近年注目を集めているのがSDGsです。比較的新しい取り組みである、「どのような内容なのか」「就活への関連性はあるのか」などの内容が気になっているのではないでしょうか。

現在の就職活動市場では、年々SDGsに関する興味関心や注目度が高まっている状況です。世界的に積極的に取り組んでいるプロジェクトでもあり、入社する企業がSDGsに対して前向きな姿勢だと嬉しいですよね。

しかし、SDGsの詳細や就活との関係性、SDGsに取り組む企業に就職するメリット・デメリットなどを把握しなければ、実際に行動できませんよね。

今回は、「SDGsと就活の関係性」について詳しく解説します。SDGsに取り組む企業が意識していることや、就活者が着目している点なども紹介するので、ぜひ今後の就職活動の参考にしてください。

目次

SDGsとは

SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略称で、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されます。2015年9月に国連で採択され、2030年までに達成すべき17の目標と169のターゲットが掲げられています。なお、SDGsで掲げられている17の目標は以下の通りです。

《17の目標》
01.貧困をなくそう
02.飢餓をゼロに
03.すべての人に健康と福祉を
04.質の高い教育をみんなに
05.ジェンダー平等を実現しよう
06.安全な水とトイレを世界中に
07.エネルギーをみんなに そしてクリーンに
08.働きがいも経済成長も
09.産業と技術革新の基盤をつくろう
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりを
12.つくる責任 つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう
16.平和と公正をすべての人に
17.パートナーシップで目標を達成しよう

SDGsに取り組む企業は就活市場でも増えている

日本でもSDGsに対する取り組みはさまざまな形で取り組みが行われています。特に経済界では経団連が2017年11月に行動企業憲章を改訂し、Society5.0のコンセプトのもと、SDGsに本気で取り組む姿勢を打ち出しました。このため、大企業を中心にSDGsに取り組む企業が増えてきています。

SDGsに積極的な企業は就活者にも人気の大手企業が多い

キャリタス就活2023によると、就活者が「SDGsへの意識が高いと感じている企業」に挙げたのは以下の通りです。

 ①損害保険ジャパン(総合ランキング1位)

 ②トヨタ自動車(総合ランキング11位)

 ③三井住友海上火災保険(総合ランキング4位)

また、キャリタス就活2023の調査で総合ランキング2位の東京海上日動火災保険はSDGsランキング10位、総合ランキング3位の伊藤忠商事はSDGsランキング6位に位置するなど、就活者にとって人気の企業がSDGsランキングの上位に位置していることが伺えます。企業活動が社会問題の解決につながり、大きなやりがいを持って取り組めるという点で、就活生へのイメージ向上にもつながっているようです。

さまざまな分野でSDGsが導入されている

SDGsは企業活動のさまざまな分野で導入されています。

例えば、岡山県で障害福祉サービス事業及び地域生活支援事業を手がける株式会社土屋では「4.質の高い教育をみんなに」という目標に対して「シンクタンク部門を創設する」など、SDGsの17の目標を自社の取り組みとして具体的に落とし込んでいます。

また、みずほフィナンシャルグループでは2021年10月にサスティナブルファイナンス商品である「みずほサステナビリティ・リンク・ローンPRO」の提供を開始しました。

このように企業ではSDGsをCSR(Corporate Social Responsibility)の一環として、あるいは商品やサービスに取り込むなど、さまざまな分野でSDGsに取り組んでいます。

女性の積極的な登用に取り組んでいる企業が多い

企業のSDGsへの取り組みは人事活動にも現れています。

大阪の調査会社であるMILKBOTTLE SHAKERSは2021年7月に25歳〜40歳の一般企業に勤める人事担当者約100人を対象に「SDGsに関する意識調査」を行いました。それによると、各企業が実践している推進活動として行われているのが以下の通りです。

 ①女性の積極的な活用(54.7%)

 ②環境に配慮した商品・サービスの提供(50.9%)

 ③福利施設の充実(45.3%)


最も多かった「女性の積極的な活用」はSDGsの目標の1つである「ジェンダー平等」を意識し、人事面にも反映していることを裏付けた結果と言えそうです。

意識調査を行った企業の約3割はSDGsをアピールしている

「SDGsに関する意識調査」では、「人事面(社内の雰囲気醸成・採用等)において、企業のSDGsアクションは重要であると思いますか」という質問に対して約3割は「企業がSDGsに積極的であることをアピールする動きは重要」だと答えています。

その理由は以下の通りです。

 ●働き方改革の現状を示したい(54.5%)

 ●企業のビジョンを具現化したモノとして示したい(53.4%)

 ●環境意識が高い企業であることを示したい(37.5%)

企業にとってSDGsに積極的であることをアピールする動きは非常に重要と考えているようです。それは働き方改革や企業のビジョンの具現化などが理由として挙げられています。

企業がSDGsの実践を就活者にアピールするメリット・デメリット

これまで述べたように、就活者にとっては企業のSDGsに取り組む姿勢が企業を選ぶ判断基準の1つになっています。

では、企業がSDGsの実践を就活者にアピールするメリットやデメリットには何があるのでしょうか?ここでは企業がSDGsの実践を就活者にアピールするメリットとデメリットをそれぞれ紹介します。

企業がSDGs実践を就活者にアピールするメリット

企業がSDGsの実践を就活者にアピールするメリットは大きく2つあります。

1つめは「人材確保しやすい傾向にある」点です。なぜなら、多くの就活者が企業を選定する基準の1つに「SDGs推進活動への取り組み」を挙げているからです。

PRマーケティング会社のベイニッチが行った調査によると、就活者が「SDGsに対する姿勢や取り組み」を重視している理由として「企業の社会的役割を重視したい」「将来性のある企業だと判断できる」などを挙げています。


2つめは「イメージアップ効果も期待できる」点です。

企業がSDGsに取り組むことにより、「社会的な信用が高まる」「企業ブランディングにつながる」など、企業のイメージアップにつながります。

このように企業がSDGsに取り組んでいることを就活者にアピールすることで人材の確保につながりやすい傾向にあります。

企業がSDGsの実践を就活者にアピールするデメリット

一方、企業がSDGsの実践を就活者にアピールすることでデメリットもあります。そのデメリットの一つは複数のSDGsの目標を実践していることをアピールすることで、就活者から「取り組んでいる内容が多くて大変そうな企業だ」と思われてしまうことです。

SDGsに取り組むためには社員の理解や教育が必要です。とはいえ、就活者にとっては就職後に通常業務を覚えるだけでも大変です。それに加えて日々の業務に加えてSDGsに関連した新たな業務が発生します。これが複数の目標に対して行うとなったらなおさらです。

このため、複数のSDGsの目標への取り組みを企業がアピールすることで、就活者にとっては「働き方改革に逆行している大変な企業だ」と思われる可能性があります。

就活者がSDGsを実践する企業に就職するメリット・デメリット

企業がSDGsの実践を就活者にアピールすることのメリット・デメリットを述べました。では、就活者がSDGsを実践する企業に就職するメリットやデメリットには何があるのでしょうか?ここでは就活者がSDGsを実践する企業に就職するメリットやデメリットをそれぞれ紹介します。

就活者がSDGsを実践する企業に就職するメリット

就活者がSDGsを実践する企業に就職するメリットは大きく2つあります。

1つめは「将来性のある企業に就職できる」という点です。

SDGsへの具体的な取り組みが行われている企業は社会的貢献度や将来を見据えたビジネスに取り組んでいる企業と言えるからです。また、不安や問題の解決をビジネスチャンスと捉え、柔軟性を発揮して将来の成長を見出している企業とも言えます。


2つめは「働きやすい」という点です。

SDGsの17の目標の中で5の「ジェンダー平等を実現しよう」は、働きやすさに直結する目標です。ジェンダー平等に取り組んでいる企業では性別による役割格差の解消や男性の育休取得率向上や女性の役員登用が積極的に行われています。このような取り組みをはじめ、ワークライフバランスの実現など、社員にとって働きやすい環境の整備を進めています。

就活者がSDGsを実践する企業に就職するデメリット

一方、就活者がSDGsを実践する企業に就職するデメリットもあります。最大のデメリットは「従業員に負荷がかかる」という点です。

SDGsの取り組みが本業と結びついているケースを除き、日々の業務に加えてSDGsに関連した業務が発生します。SDGsで会社の価値を高めようとすると、SDGsへの取り組みを具体化するためのミーティングや作業に時間をかける必要があります。これは本業以外の業務に時間を割く必要があります。このため、本業以外にSDGsの時間を割くとなると、従業員に負荷がかかります。

本業以外にSDGsのための業務負荷がかかるとなると、就職後に「こんなはずではなかった」と思うことになりかねません。就活者自身がその会社でSDGsを通じて自身の目指すものと合っているのかを確認する必要があります。

就活者がSDGsに関して注目しているポイント

IDEATECHが2023年春に就職予定の547名を対象に「23卒就活生の選社軸とSDGsの関係性」に関する調査を実施しました。その結果、就職先企業を選ぶ際に重視している点で「SDGsに対する姿勢や取り組み」を重視している就活者は22卒に比べて23卒は7.2ポイント上昇していることが分かりました。その理由の1つに「コロナ禍で持続可能なビジネスモデルの必要性を実感したから」があがっています。

コロナ禍で完全在宅勤務を余儀なくされて以降、持続可能なビジネスモデルの必要性を実感していることが理由です。また、自分が勤める企業のCSR(社会的な役割)や企業ブランド力を意識しています。そのほか、クリーンな企業イメージが高いと、周囲からも好感を持たれる傾向にあります。そのため、SDGsに取り組んでいる企業に勤めることによって、自分が得られるベネフィットも意識しています。

実際にSDGsに取り組んでいる企業の具体事例

多くの企業がSDGsに取り組む中で、ビジネスや経営面において、具体的な成果をあげている企業もあります。ここではビジネスや経営面でSDGsで具体的な成果をあげた企業を3つ紹介します。

SDGsによるサスティナビリティ投資

SDGsによるサスティナビリティ投資の代表的なものとして「ESG投資」があります。ESG投資とは「Environment(環境)」、「Social(社会)」、「Governance(企業統治)」の略称であり、3つの要素から投資先を選定し投資を行います。このような投資が生まれてきた背景にはSDGsへの関心の高まりがあります。

ESG投資の代表的な事例として農林中央金庫の「ESGインテグレーション」があります。ESGインテグレーションとは投資にあたり、財務分析の他にESG評価を加えた総合評価で投資判断を行っています。

サスティナビリティ経営

大丸松坂屋百貨店は「Well-Being Life(心身ともに豊かなくらし)」を追求することでサスティナビリティ経営に取り組んでいます。その中で大きな柱となっているのがサプライチェーン・マネジメントにおけるサスティナビリティ戦略への取り組みです。

サプライチェーン・マネジメントとは部品や材料の調達から製造、流通、販売までモノの流れ全体で管理するマネジメント手法です。大丸松坂屋百貨店はホールディングスが掲げている数値目標に対してステークホルダーを巻き込みながらサプライチェーン全体で取り組んでいます。

SDGs目標達成度合いに応じて金利が変動する金融商品

みずほフィナンシャルグループは2021年10月に「みずほサステナビリティ・リンク・ローンPRO」の販売を開始しました。この商品は国際的な原則である「サステナビリティ・リンク・ローン原則」に基づいた商品です。資金提供にあたり、サスティナビリティ戦略に沿った目標を決め、目標の達成度合いに応じて金利が変動するというものです。

ローン調達の企業にとって、自社のSDGsへの取り組みを対外的にアピールできる点がメリットとなっています。また、環境や社会課題への取り組みが資金調達にも影響する時代になったことを表しています。

まとめ

この記事では「SDGsと就活の関係性」について詳しく解説しました。企業側にとってもSDGsへの取り組みをアピールすることで、「人材を確保しやすい」などのメリットがあります。是非SDGsへの取り組みのアピールをチャンスと捉え、人材確保につなげていきましょう。また近年、就活者が企業を選ぶ基準の1つに「SDGsへの取り組み」があります。就活生のみなさんは企業がSDGsに取り組む姿勢を企業選びの1つの軸にするのも良いでしょう。


イチネングループの環境方針の基本理念として、”地球環境問題が地域・世代を超えて社会全体にかかわる問題であることを理解し、地球環境と事業活動との密接なかかわりをよく認識の上、地球環境保全と持続可能な発展を常に念頭において事業活動を行うものとします。”と定めています。SDGsに取り組む企業に関心がある就活生がおられたら、ぜひイチネングループの取り組みも興味を持ってもらえたらと思います。

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