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就活情報ホントのトコロ

研究職とはどのような内容なのか?魅力や種類・必要スキルについて解説

研究職は、理系の勉強をしている方であれば誰でも一度は目指す職業ではないでしょうか。
文系などのほかの分野にも広く知られる、知名度の高い職業の1つです。

結論から述べると、研究職は多くの方が抱いているイメージのとおり、高い専門性を求められるため、高校卒業後の進学が非常に重要になります。しかし、事前に専門分野について深く学習を進めたり、事前準備したり、詳しい行動計画を立てておくことで研究職に従事する確率を高めることが可能です。

そのほかにも、研究職のメリット・デメリット、給与面、求められる性格や資格など、気になるポイントなども気になりますよね。
今回は、「研究職に関する業務内容や待遇などについて」詳しく解説します。

ぜひ就職活動に活かして、今後のキャリアアップに繋げていきましょう。

目次

研究職とはどのような業務内容なのか

研究職とは、ある特定の分野について学問的に深く考察し、新製品・新技術の開発、既存のサービスや製品のさらなる発展のために、実験・観察・調査などを行う職業です。
時代と共にわたしたちの生活がより豊かに便利になってゆくのは、研究職に従事する方々のおかげであるともいえます。

研究職のイメージとして、白衣を着た研究者たちが日々化学実験に勤しんでいる光景を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。医薬品や化粧品などのメーカーの研究職に就いている方々の中には、このようなイメージに近い仕事をされている方も多いことでしょう。

しかし、作業着を着て自動車などの大きな製品の性能をテストしたり、普段着に近い服装でPC上の実験データをチェックするなど、企業や研究所によって業務内容はさまざまです。
次章では、研究職についてより深く知っていただくために、研究の種類ごとに分けて詳しく解説しています。

研究職の種類

研究職は、その目的によって種類が分かれます。一般的には「研究の種類」として2種類に分類されるという考え方もありますが、当記事では「研究職の仕事の種類」として基礎研究、応用研究、開発研究の3種類に分けて解説していきます。

基礎研究

基礎研究とは、将来的な応用や用途を直接考慮するのではなく、「未知の分野の探究」や「基本原理の解明」を目的として行われる研究のことです。営利を優先した活動ではなく、技術の発展や学術的な知見の開拓を志向する研究活動です。

非営利的な側面が大きいことから、国立の研究機関や大学機関で多く行われています。基礎研究を行う研究者たちは、独創性をもって試行錯誤し、世の中の「未知」を「既知」へと変えていく使命を担っています。

基礎研究は、成果を得るまでに長い時間を要することも多く、さらにその成果がどのような役に立つのかさえ分からないリスクもあります。その反面、研究の成果が未来の生活や常識を大きく変える可能性があるため、ロマンにあふれた研究活動であるといえます。

応用研究

応用研究とは、基礎研究によって得られた知見や技術を応用し、実用化を目指すための研究です。基礎研究の成果を正確に把握し、既存の製品やサービスの品質向上、より利便性や有益性が高い製品・サービスの開発に応用するための機転が求められます。

応用研究は基礎研究の成果をもとに行われる研究ですが、研究職としての在り方は基礎研究と異なる部分が多いとされています。未知の法則の発見を目指し、長い時間をかけて取り組む基礎研究に対し、応用研究では期日までに成果を出さなければなりません。

基礎研究の成果を開発研究につなげる橋渡しのような立場であることから、応用研究は学問的な知識の蓄積を担うだけでなく、製品・サービスの開発に応用できる研究成果を期日までに創出しなければならない使命があります。

開発研究

開発研究とは、基礎研究と応用研究の成果をもとに、実際的な製品やサービスの開発・改良を行うための研究です。
世間的に公表されている研究結果や、社内での研究成果を形にして、機能性や品質が高い製品、これまでに無かった新しいサービスなどを生み出していきます。

開発研究は、応用研究以上に成果の創出にかかる時間をシビアに管理しなければならないため、プレッシャーに感じてしまうことがあるかもしれません。
しかし、自身が開発した製品が商品化され、実際に利用している人に触れられる機会もあることから、やりがいを感じやすい仕事でもあります。

純粋な知的好奇心による探求より、社会貢献性の高い研究を志向する人にこそ、適性がある分野だといえるでしょう。

研究職の給与面

理系の人が集まる知的職業のイメージから、研究職の給与は高額であると想像する方も多いのではないでしょうか。本章では知られる機会のない研究職の給与面について解説していきます。

平均年収

転職支援サイトの調査によると、研究・開発職の平均年収はおよそ500万円とされ、他の職種に比べると高い傾向にあります。
新卒入社した場合の初任給は20万円台前半とされていますが、高い専門性やスキルを身につけた方であれば20代でも年収1,000万円を超えることもあります。

やはり一般職と比較すると高い傾向にある研究職の年収ですが、もちろん、すべての職場が好待遇というわけではありません。研究職の年収には、携わる研究の分野も大きく影響します。

研究職には、「医療・創薬」、「食品」、「環境・エネルギー」など、多岐にわたる分野があるため、研究職を志す方は、それぞれの分野の年収もチェックしておくことがおすすめです。

派遣社員の平均時給

とある求人検索エンジンにて公開されている情報によると、研究開発の派遣社員としての平均時給は1,515円とされています。やはり他の職種と比べて高水準の時給となっていますが、都道府県によってはさらに高い時給で求人を募集しています。

研究開発の派遣社員で最も時給が高い都道府県は東京都で1,698円、次いで神奈川県が1,693円です。この2つの地域では約1,700円の時給となっており、全職種の中でもハイクラスな職種といえます。

ただし、東京都近隣の埼玉県では1,496円、千葉県では1,495円と全国平均額を下回ってしまうこともあるため、実際に研究開発の派遣社員として働きたい方は、働く地域についても考慮してみましょう。

研究職に求められるスキル

研究職に就くためには、職場によって必要とされる学位や資格があります。将来、研究職を目指す方であれば、高校卒業前後~大学在籍中に就職先を想定して準備しておくことが大切です。

博士号・修士号

研究職には特定の分野に特化した高い専門性が求められるため、博士号・修士号の学位を取得しておくことで大きなアピールポイントになります。
研究職の中には博士課程・修士課程修了者でないと応募できない求人も多いため、学位を取得しておくと非常に有利です。

理系を専攻している学生の中では、約4割程度の学生が修士課程を修了するため、一つの分野を研究することが好きな方であれば、修士号の取得はさほど難易度が高いものではないでしょう。

そして、修士課程を修了した学生の約2割が博士課程へ進学するとされており、さらなる時間をかけて博士号を取得します。研究職に就くことを考えているのであれば、就職前に専門性を磨いておくことで、やがて将来の大きな力となるでしょう。

医師・薬剤師

医師資格を取得しておけば、研究職に役立つだけでなく、自身のキャリアアップにもなります。もしも研究職から転職することになった場合も、医療業界で活躍できる可能性が広がります。

薬剤師資格を取得している場合は、新薬開発などの化学系の研究に従事しやすくなります。そのほか、動物に関する研究に携わりたいと考えている場合は獣医師などの資格取得を検討しておくことがおすすめです。

上記のいずれの資格においても、取得しておけば研究職以外のキャリアを目指すことも可能になるため、将来の選択肢を広げておきたいと考えている方は資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。

FE試験・AP試験

FE試験とは、基本情報技術者試験のことであり、情報処理の促進に関する法律に基づき行われる国家資格試験です。FE資格を取得すると、システムエンジニアやプログラマーとしての基礎スキルがあることを証明できます。

一見すると研究職との関連性が低い資格だと思われがちですが、IT関連の研究開発を行う企業や研究所に就職したいと考えている方にとっては有用な資格といえます。また、IT関連の研究を志す方には、FE試験のさらに上位となるAP試験へのチャレンジもおすすめです。

AP試験もFE試験と同じく国家資格試験の1つで、FE試験合格者がさらなるキャリアアップを目指すための上位の資格試験として位置づけられています。業界・分野によっては意味を成さないこともありますが、資格を保有していることでアピールの幅が広がります。

研究職の1日の仕事の流れ

ここで、研究職の1日の仕事の流れを見てみましょう。以下でご紹介するのは、研究者の業務スケジュール例です。

 07:30〜:出社
 07:45〜:メールチェックなどの雑務
 08:00〜:全体ミーティング
 08:30〜:チーム・グループミーティング
 09:00〜:午前の部-研究・実験・開発作業スタート

 12:00〜:休憩

 13:00〜午後の部-研究・実験・開発作業スタート

       都度、間休憩

 18:00〜研究・実験・開発作業終了
 19:00〜報告書作成
 20:00〜退社

 20:30〜21:30:帰宅


上記の業務スケジュールはあくまで一例であり、始業時間などは勤務先の企業や研究室によってバラバラです。また、研究の進捗度合いや時期によっては勤務時間が大きく変動することもあるようです。

研究職のメリット・デメリット/研究職に向いている人の特徴

一日中研究室にこもって仕事をしているイメージが強い研究職ですが、本章では研究職として働くメリットやデメリットについて解説していきます。

研究職のメリット・やりがい

研究職のメリットは、未知の分野を開拓できる喜びがあることや、新しい法則の発見・新しい技術の確立によって社会の発展に貢献できることです。
世の中の問題解決に役立つ成果を得られた瞬間や、自身が開発に関わった製品が利用者の手にわたる瞬間に、大きなやりがいを感じられます。

また、研究成果における社会貢献度の大きさによって、ノーベル賞やイグノーベル賞などの様々な賞を受賞できる可能性があります。偉大な賞を受賞できれば、今後のキャリアに大きく活かすことができるでしょう。

また、1つの分野の専門性を高めることで、キャリアアップ、転職、ヘッドハンティングなどによって、さらなる成長を目指しやすい環境を得られることも、メリットの1つといえます。

研究職のデメリット・大変なこと

研究職のデメリットは、成果が出ないときに大きなプレッシャーを抱えてしまうことです。メーカー企業の研究部署などでは、「商品の品質・性能を一定期間以内に10%アップ」などのノルマが課され、時間に追われながら研究をしなければならないこともあります。

また、基礎研究のため時間の制約がない職場であっても、成果を出すのに10年以上かかってしまったり、大きな成果をあげることなくキャリアを終え、結果的に芽が出ず退職してしまうケースもあります。

さらに、専門性が高すぎるあまり汎用性が低いことから、転職などのつぶしが利かないということも研究職のデメリットといえます。

研究職に向いている人の特徴

研究職に就いた方の中には、実際に働いてみて初めて「自分には合わないかもしれない」と気付く方もいらっしゃいます。研究職を志す前に、自分のパーソナリティーに適性があるか確認しておくことが大切です。

《探究心が強い》
探求心の強さは、研究開発の分野において必須の要素です。難しい分野の研究でも、探求心を持つことによって、最後まで前向きでポジティブに研究開発に取り組むことができます。

研究職には、常に疑問を持って解明しようとする姿勢が必要なため、1つの事柄を深く追求するより、多くの事柄に目移りしてしまうような性格の方は、あまり向いていないといえます。

様々な分野に興味を持てることは、どんな仕事にも対応できるオールマイティなスキルの獲得につながるため、他の職種では有利にはたらくこともあるでしょう。
しかし研究職においては、一点に集中して探求心を向けられる人ほど、高いスキルを身につけ、重宝される人材になっていきます。


《粘り強い》
目に見えた成果が出なくても、粘り強く前向きに研究開発に取り組める人は、研究職にとって有利です。研究開発では、限られた予算内での研究も珍しくないため、粘り強く継続できる人だと成果が出やすい傾向にあります。

特に基礎研究を行う職場では、成果が出るまでに長い年月がかかってしまうことも多いため、粘り強さは必須要素の1つになっています。成果が出るまで諦めず、チャレンジし続けられる人だけが、その先に待つ成果創出の喜びに立ち会えるのです。

何か1つのことを長くやり続けてきた経験があるという方には、研究職の素質が備わっているかもしれません。


《切り替えがうまい》
研究開発職では失敗が付き物なので、反省して修正点を把握したら、気持ちを切り替えて次の行動を素早く起こせると成果につながりやすくなります。
失敗をいつまでも引きずらず、すぐに前を向いて改善点を検討できる性格であれば、研究者として成功しやすいタイプだといえるでしょう。

研究職だけでなく他の職種でも共通する部分ですが、仕事において全力のパフォーマンスを発揮するためには、ポジティブな気持ちを維持する必要があります。
失敗してしまったときは落ち込み過ぎず、ネガティブな気持ちになる前に「次はきっと上手くいく」と切り替えなければなりません。

失敗に多く直面する研究職を目指すなら、気持ちを切り替えるスキルを備えておく必要があります。

研究職のキャリアアップ/研究職に関するのQ&A

研究職でキャリアを積み上げる方法は様々です。1つの分野に関して日々専門性を高めて自分の価値を挙げていく方法や、転職して次のキャリアを築く方法、プロジェクトマネージャーなどに昇格して管理職になる方法など、幅広いキャリアアップを目指すことができます。

また、研究職として企業で働いたあとに、大学の教授になる方もいます。大学教授になるためには、博士号の取得と相応の経歴が必要になりますが、研究を続けつつ、教育にも興味がある方は視野に入れておくのもよいでしょう。

さらに、研究で得た経験をもとに起業する方もいます。しかし、研究開発を行う会社は経営が困難とされているため、独自の製品を開発したいという強い思いを持つ人だけがチャレンジできるキャリアパスといえます。

研究職に関するのQ&A

最後に、研究職を目指す人にとって気になるQ&Aをご紹介します。

Q1:文系からでも研究職は目指せる?

A1:理系出身でないと就職が厳しいイメージのある研究職ですが、文系からでも研究職に就くことはできます。
大学教授・准教授・助教授に就くケースでは、修士課程・博士課程へ進むにあたって論文を発表しつつ、各大学の募集がかかったときに応募することでチャンスが得られます。

また、採用難易度は高い傾向にあるものの、金融庁や独立行政法人などの公的機関でも文系出身の研究員を募集していることがあります。


Q2:確実に研究職に就くための方法は?

A2:前述したとおり、研究職に就きたいのであれば修士号・博士号を取得していることが大きな強みになります。研究職に就く一般的なキャリアパスは、大学院の修士課程を修了した後に就職するケースです。

修士号を取得していれば、研究職として働くための基礎能力を有している証明になるため、スムーズに研究職に就くことができるでしょう。さらに、博士課程まで修了している方であれば高い専門性が証明され、良い条件の職場を選びやすくなります。


Q3:研究職に就く人の学歴は?

A3:研究職に従事している人の中には、大学院卒の学歴を保有している方が比較的多い傾向にあります。また、研究職は理系の職業の中では人気が高いうえに、採用人数も多くないため倍率が高く、狭き門とされています。

大学卒の学士として研究職に従事する人も多くいますが、高い倍率を勝ち抜いて自分のやりたい研究分野に就くためには、できれば大学院卒であることが望ましいといえます。

まとめ

今回は、研究職の仕事内容やその魅力、必要なスキルなどについて解説しました。記事の中でご紹介したとおり、研究職の仕事は目的によって種類が分かれており、研究の在り方も様々です。

基礎研究、応用研究、開発研究にはそれぞれのやりがいがあるので、研究職を目指す方は「どのような分野の研究をしたいか」だけでなく、その分野で「何をしたいのか」を明確にしておくとよいでしょう。

研究職には、本人の性格によって向き・不向きも多少ありますが、興味のあることについてとことん調べたり、解明していくことが好きであれば、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

研究職を志す方にとって、この記事で少しでも研究職についての理解が深まれば幸いです。



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