では、研究・開発職の「存在価値」って何だと思いますか?
それは、企業が販売する製品の「価値そのものを創造する」ということです。
例えば、社内の研究・開発職があまり新しい技術や機能を生み出せないメーカーがあったとします。すると目新しい技術はないので、他社の類似品のような製品ばかりになりそうです。
しかし、研究・開発職が優秀な会社では、新素材や新技術を使った機能性の高い製品が生み出されたり、これまで無かった顧客が求めていた機能が盛り込まれた製品が販売されたりするのです。
この「機能性」こそが、製品の「価値」そのものです。
他社には真似できない技術を盛り込んだ製品は、他社製品との競争なく商談ができます。いわゆるライバルのいない「ブルーオーシャン」と言われる環境です。しかし、他社と類似した製品は、価格競争になり兼ねません。この価格競争で戦い合うのが「レッドオーシャン」です。当然「ブルーオーシャン」のほうが、ビジネスしやすいことが想像できますよね。
さらに、これまでに無かった機能性を盛り込んだ製品は、顧客からどのように思われるでしょうか?
例えば、みなさんも使っているかもしれない「ワイヤレスイヤホン」。初めて有線のイヤホンから切り替えた時の気持ちを思い出してみてください。また「水蒸気でパンをふっくら焼き上げるトースター」は、話題に火がついて瞬く間に大ヒットとなりました。
手前みそではありますが、私たちイチネングループの中の株式会社イチネンケミカルズには、車のフロントガラスなどの曇り止め「クリンビュー」という商品があります。50年以上の歴史を持つロングセラー商品ですので、世の中にその価値を認めていただいた商品のひとつと考えています。
そんな世の中を便利にする商品の根本は「研究・開発職」にあるのです。
言い換えれば「研究・開発職」の努力が、世の中を便利にしていると言えるのです。
企業における研究・開発職のやりがい
では企業の「研究・開発職」は、どのようなやりがいを感じるのでしょうか。
改めて「研究・開発職」のやりがいについて考えてみましょう。
商品として世の中に出る喜び
自分が研究した新素材の洋服が発売されて話題になる。自分が開発担当者として改良した食品が発売されて話題になる。自分が開発した新機能の家電製品が発売され話題になる。
考えただけで、嬉しさややりがいはイメージできますよね。
期待され結果を出せる喜び
「開発職」は、会社が製品に求めていることが明確に分かります。
その求められていることに応え、結果を出すことが出来たとき、その達成感は計り知れないものとなります。時には「無理難題を要求された」と思うこともあるかもしれません。ただ、その無理難題を突破した先には、お客様の反応があります。ヒットすれば、テレビやインターネットでも、その特徴について語られるでしょう。その技術を開発したという喜びは、企業の開発職でなければ得られない喜びです。
大きな予算で大きな仕事
企業の研究・開発は、製品がヒットすれば大きな収益をもたらします。
そのため、巨額の予算を投じた開発を行うケースもあります。大規模な開発は、自身の経験値としてもスキルを高めてくれます。場合によっては、技術を学ぶために海外に赴任するようなケースだってあるかもしれません。
最近は、大学などの研究機関や素材メーカーとの共同プロジェクトなどのケースも増えてきています。また、商社などの販売を担当する方からリクエストをいただき、製品の改良をしていくケースもあります。そのため企業の開発職は、さまざまな高い技術や知識を有する人たちと切磋琢磨しながら仕事をしている喜びもあります。