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「売上高2,000億円超」「営業利益200億円超」へ成長戦略を着実に推進し企業価値向上に努めてまいります。代表取締役社長 黒田雅史

第64期上半期のポイント

  • 中核事業の自動車リース関連事業はリースの安定した伸長に加え、中古車相場も安定的に推移したことから、前年同期比では減益となったものの、当初計画は上回る結果となりました。
  • パーキング事業は、順調に拡大が図れ、前期に引き続き好調を持続しております。
  • 中間配当は、配当性向30%の目標へ近づけるため、3円増配し38円といたしました。

第64期下半期のポイント

  • 自動車リース関連事業の自動車メンテナンス受託が新たな大口契約を獲得できる見込みです。
  • 農業関連事業では新たな作物「パプリカ」の収穫が始まり、肥料製品も堅調の見込みです。
  • 通期連結業績は増収に加え、営業利益が23期連続増益の見通しです。
  • 第64期(2026年3月期)上半期のご報告をお願いいたします。

    まずはセグメント別に事業の概況をご報告いたします。
    自動車リース関連事業のリースは、契約台数が堅調に推移しました。自動車メンテナンス受託は、バッテリーやタイヤ等、原価が上がっており、顧客への価格改定を進めているところです。燃料販売は、自動車用燃料給油カードの販売数量が堅調でした。車両販売は、中古車相場が安定的に推移しており、自動車リース関連事業のけん引役になりました。
    ケミカル事業は、原価の上昇に対する販売価格の値上げ交渉が進捗したことで売上高・営業利益の伸長につながりましたが、数量的な伸び悩みが課題となっています。
    パーキング事業は、当期もフラップレス・非接触型精算機の導入を進めており、継続的に経費増が続いていますが、赤字物件が減り、拡大も好調に図れて、当上半期も順調に業績を伸ばしています。
    機械工具販売事業は、好調な空調工具を除き、伸び悩みました。
    合成樹脂事業は、半導体実装装置メーカー向けのセラミックヒーターが好調を持続しましたが、遊技機部品事業が伸びず、セグメントとして低迷しました。
    農業関連事業は、肥料製品が堅調に推移し、売上高・利益面ともに前年同期を上回りました。その他事業のガラス加工事業は、前期にグループ入りした日石硝子工業株式会社により売上高が増加しましたが、販管費の増加等により、利益面で伸び悩みました。
    グループ全体の上半期連結業績は、売上高80,671百万円(前年同期比3.9%増)、営業利益6,046百万円(同0.6%減)、経常利益6,205百万円(同0.5%減)、親会社株主に帰属する中間純利益4,339百万円(同13.0%増)で、増収営業減益となりました。業績に対する評価としましては、営業減益ながら当初計画を上回っており、まずまずの結果であったと言えます。
    中間配当につきましては、目標である配当性向30%に少しでも近づけていくため、3円増配とし、1株当たり38円とさせていただきました。

  • 長期経営数値目標の達成へ向け成長戦略の進捗状況はいかがですか。

    当社グループは長期経営数値目標として「売上高2,000億円超」「営業利益200億円超」を掲げております。その達成へ向けた成長戦略は「既存事業の規模の拡大」「積極的なM&Aの展開」「海外展開の強化」の3点です。
    ◎既存事業の規模の拡大
    既存事業の拡大を図るためには新製品・新サービスの開発が不可欠です。
    当上半期においては、合成樹脂事業の株式会社イチネン製作所が玩具業界に参入すべく、日本玩具協会主催の「日本おもちゃ大賞2025」に応募し、デジタル部門において優秀賞を受賞しました。受賞した製品は、「学研の図鑑LIVE」とコラボの防水×知育ゲーム「おふろアクアリウム」で、お風呂のお湯を検知してメインゲームが起動するユニークな仕組みと、遊びながら自然と学べる構成が高く評価されました。
    今回の受賞を機に、今後玩具関連が合成樹脂事業の新たな柱になるよう成長できればと期待しています。
    ◎積極的なM&Aの展開
    当社グループは、事業の多角化及び既存事業の強化を目的に、これまで積極的にM&Aを実施してまいりました。特に新分野への参入を目的としたM&Aは、事業の多角化によるリスク分散と安定成長を実現し、グループの強みを形成しております。
    近年のM&Aでは、合成樹脂事業におけるマルイ工業株式会社は、自動車のエンブレムや内外装部品の製造・販売を手掛けており、新たなジャンルへの進出及びタイにおける新たな拠点確保というメリットをもたらしました。また、農業関連事業の日東エフシー株式会社は、肥料という新分野への参入に加え、海外との取引を行っている商社機能を有しているので、今後、グループ内シナジーの促進を期待しています。
    M&Aについては、常に案件があれば検討する体制にあり、条件さえ整えば積極的に実施してまいります。
    ◎海外展開の強化
    長期経営数値目標の達成へ向けて、海外売上高比率20%を目指しています。当上半期では、8月1日付でケミカル事業の株式会社イチネンケミカルズがタイで合弁会社「ICHINEN CHEMICALS(THAILAND)CO.,LTD.」を設立し、販売拠点を設けました。
    また、株式会社イチネンケミカルズと機械工具販売事業の株式会社イチネンアクセスは、8月下旬にタイで開催された「BANGKOK AUTO SALON 2025」に出展し、イチネングループ製品のPRに努めました。
    さらに今後の新たな展開として、大手商社とのアライアンスでバングラデシュにて新規ビジネスを検討していきたいと考えております。

  • 下半期及び通期の見通しをお聞かせください。

    自動車リース関連事業につきましては、リースが地方の中小口の案件を着実に獲得していくことが予想され、自動車メンテナンス受託も新たな大口契約の獲得を見込んでおります。燃料販売・車両販売も堅調に推移していくことが予想されます。ケミカル事業は上半期同様の動きで、パーキング事業は好調を持続しそうな勢いです。機械工具販売事業は、暑い期間が秋まで延びたことにより空調工具が引き続き順調に売上を伸ばしていく見込みで、合成樹脂事業は上半期に引き続いて厳しい状況が予想されます。ただタイの自動車エンブレムについては、海外自動車メーカーへのアプローチを行っており、新たな受注契約が結べると来期から生産が始まります。農業関連事業は、パプリカの収穫が11月から始まります。また、肥料製品は上半期同様、堅調に推移していくと思われます。
    グループ全体の通期業績見通しにつきましては、増収はもとより営業利益の23期連続増益の達成を見込んでおります。配当に関しましても、目標である配当性向30%に近づけるべく、当期も事業の発展に邁進してまいります。株主様におかれましては、さらなるご支援とご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

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