
自動車リース関連事業は、中核となるリースが、中小口規模の企業をメインターゲットに新規開拓に注力し、やや伸びが鈍化したものの着実に拡大が図れました。また、リース満了車処分が前期に続いて好調に推移しました。自動車メンテナンス受託は、原価上昇に対して価格転嫁に努めましたが、前期と比較し横ばいの状態でした。燃料販売は、第4四半期にイラン情勢による影響を大きく受けたことで、通期では前期比で利益が減少しました。自動車リース関連事業のセグメント業績については、売上高・営業利益ともに前期を上回りました。
ケミカル事業は、原材料価格の上昇を受け価格転嫁に取り組んだことで一時の落ち込みを脱し、業績は以前の規模まで回復してまいりました。パーキング事業は、不採算物件が減少し、当期も引き続き好調を持続しました。
機械工具販売事業は、猛暑のおかげで空調工具が好調に推移し、他部門の伸び悩みをカバーしました。
合成樹脂事業は、株式会社イチネン製作所が主力とする遊技機部品事業が不振でした。得意先である遊技機メーカーの遊技機に対する公的な検定が遅れているためです。再生ペレットは原材料の入手が厳しく赤字でした。合成樹脂による新製品については、美容系と玩具に取り組んでおり、成果は来期以降になります。規模は小さいのですが、半導体製造装置に搭載するセラミックヒーターは好調を持続いたしました。グループ会社のマルイ工業株式会社が展開している自動車のエンブレムなどの自動車用内外装部品事業は、得意先であるタイの日系自動車メーカーが低迷しており、伸び悩みました。
農業関連事業は、農園事業について、新しい動きがありました。昨年11月にパプリカの収穫を開始し、課題の加工食品については今年の3月にピーマンを使った新製品「肉味噌ピーちゃん」を販売いたしました。セグメント業績を左右する肥料事業は、販売数量、販売単価ともに順調に推移しました。
その他事業の中心であるガラス加工事業は、ガラス製品の販売が減少し、利益面で苦戦しましたが、事業の効率化などは進捗し、今後に期待しております。
連結業績については、増収増益で、営業利益も23期連続で伸ばすことができました。株主様への期末配当は、1株当たり42円とさせていただきました。当社予想と比べ7円の増配です。通期では、中間期の38円と合わせて80円となり、前期実績より10円の増配となりました。
直近の業績動向及び財務状況を踏まえ、中期目標を「営業利益:170億円、自己資本:920億円超、自己資本比率:40%超」に引き上げ、その達成へ向けて3つの経営方針を掲げております。
◎既存事業:自動車リース関連に次ぐ事業の柱の育成(各セグメントの成長による収益源の分散化)
新たな事業の柱としては、当面パーキング事業・農業関連事業・ケミカル事業が候補であり、各セグメントの営業利益20億円を目標としております。直近の業績動向を鑑みるとパーキング事業と農業関連事業が中期での計数目標を達成できる可能性があります。ケミカル事業は、ようやく業績が回復してきたところなので、目標には届かないと見ていますが、今後、現状よりどれだけ上乗せして伸ばしていけるかがポイントとなります。
◎新規事業:M&A・事業連携等による新規事業領域の拡充
M&Aについては、2025年に日石硝子工業株式会社(現:新生ガラス株式会社)をグループ会社化してガラス加工事業の強化を図り、今年は農業関連事業の肥料事業・商社事業の拡充として、4月3日付で太陽肥料株式会社(日東エフシー株式会社の子会社として)、6月1日付で株式会社イチネンMAC、エムシー・ファーティコム株式会社の計3社がグループの一員となりました。
現在、新規事業として取り組んでいるのが、バングラデシュでのビジネス展開です。現地企業との連携を視野に入れて、様々な事業を検討しており、社員を出張させて具体化への道を探っています。また、自動車リース関連事業で個人リース事業を検討しており、仕組みづくりを始めています。
◎財務方針:財務健全性の維持と成長投資を両立
自己資本比率を上げるため、不要不急の資産を処分しており、2026年3月期は33.8%となっております。成長投資については、新たな海外への投資拡大として、バングラデシュのほかインドネシアでの拠点づくり・ビジネス展開を模索しております。
第65期は、引き続き「規模の拡大」をベースに「スピードアップ」「適材適所の人材配置」等をグループ全体のテーマとし、利益重視の取り組みを展開してまいります。
自動車リース関連事業は、2期連続で新規契約台数の伸びが鈍化しているリースの巻き返しを図ってまいります。燃料販売は、イラン情勢による市場の混乱が収まりさえすれば、安定した収益を上げてくれると考えております。
ケミカル事業は、第64期に業績が回復しましたが、原材料価格の上昇を販売価格に転嫁できたことが主な要因であり、第65期は課題である販売数量にこだわって取り組み利益増を目指してまいります。パーキング事業は、不採算物件のさらなる削減と新規開拓のさらなる増加で好調を持続していく見通しです。機械工具販売事業は、第64期同様、空調工具が安定して業績を伸ばす見込みで、他部門をけん引していくことになります。物流サービス事業は、5月に東大阪市の新しい倉庫が稼働します。自社での組み立て作業に加え、これまでグループ企業が中心であった物流業務は、他社からも受注していく予定です。
合成樹脂事業は、第65期も遊技機部品事業が検定次第で、先行きが不透明な状態です。マルイ工業株式会社が担う自動車用内外装部品事業は、第64期では苦戦を強いられましたが、新たにアメリカの自動車メーカー向けのエンブレムの生産が開始予定のため、業績回復を期待しております。
農業関連事業は、新たに3社が加わったことで、セグメントの規模が大きく拡大します。現在肥料事業では、農業従事者の高齢化に対応して、施肥回数を減らすことができる省力化肥料(緩効性肥料)を、日東エフシー株式会社とケミカル事業の株式会社イチネンケミカルズが共同で開発中です。また、商社機能を有する株式会社イチネンMACが加わったことで、日東エフシー株式会社との連携による共同仕入・輸送など新しい展開を創出してくれると思います。その他のガラス事業では、東京を中心とする関東地域で建設関係の需要が見込めるため、第65期は機械の入れ替えなど増産へ向けての取り組みを推進していく計画です。
連結業績の見通しは、増収営業増益を計画していますが、イラン情勢の動向によっては業績に影響を与えるかもしれません。株主様におかれましては、さらなるご指導ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。