経営情報

トップメッセージ

第56期のポイント

  • 売上高・営業利益・親会社株主に帰属する当期純利益は前期に引き続き過去最高を更新

    グループの中核である自動車リース関連事業が堅調な伸びを示し、前期に引き続いて収益ともに過去最高を更新しました。また、営業利益は15期連続で増益を達成しております。

  • 海外における車両販売事業が着実に進展

    ニュージーランドでの車両販売事業が着実に実績を伸ばしており、来期には同国内での新しい販売拠点の設置が実現する見通しです。

  • 機械工具販売事業において新たに2社をM&A

    2017年4月に株式会社ゴンドー、2018年1月に昌弘機工株式会社(現:株式会社イチネンSHOKO)を、機械工具販売事業の拡大を図るためグループ会社化しました。

第57期のポイント

  • 増収増益による過去最高収益の達成が目標

    「規模の拡大」をテーマに、過去最高収益の更新と営業利益の16期連続増益の達成を目指します。

  • 自動車リース関連事業は増収減益の見込み

    自動車リース関連事業の体制づくりが第56期で完了したことで、地方の伸長が期待でき、加えて、車両販売の拡大も順調に推移する見通しですが、新基幹システムの稼働開始に伴う償却費の増加により減益となる見込みです。

  • ケミカル事業は新製品と燃料添加剤に期待

    好調の塩害ガードと自社生産となった付加価値の高い潤滑油の需要増が予想され、主要製品の一つである燃料添加剤も新規開拓での拡販を見込んでいます。
    また、研究所の移転・拡充により開発スピードの強化にも期待しております。

  • パーキング事業のさらなる成長に期待

    新規駐車場の開拓が拡大し、既存駐車場の継続した収益改善が進むことを見込んでいます。

  • 第56期(2018年3月期)の業績についてどのように評価されていますか。

     当社グループは、第56期も前期に引き続き「規模の拡大」をテーマに取り組み、増収増益はもとより、売上高・営業利益・親会社株主に帰属する当期純利益のいずれもが過去最高を更新いたしました。加えて営業利益は15期連続の増益を達成しております。
     その主な要因は、中核事業である自動車リース関連事業の堅調な推移にあります。継続的に推進している地方市場への拡大が進展しており、それが当期も含め、ここ数年の安定した成長を下支えしていると、評価しております。また、同事業では、当社グループのリースアップ車両ならびに外部仕入車両を主に取り扱う車両販売事業に注力しており、当期においても順調に伸長いたしました。
     他のセグメントについては、ケミカル事業及びパーキング事業が比較的堅調であった反面、機械工具販売事業・合成樹脂事業が伸び悩みました。
     新規事業に関しては、農業が着実な歩みを見せています。高知県でのミニトマトの栽培・出荷は順調で、作付面積を拡大する2期工事も進めています。最初に手掛けた兵庫県篠山地域は、当期に5,000万円の減損処理をしましたが、今後の展開も視野に新たな作物の試験栽培を始めております。農業事業が業績に寄与していくには、まだまだ時間がかかりますが、長期的な視野で取り組んでいきたいと考えております。

  • 掲げておられる3つの成長戦略についてその進捗状況をご報告願います。

     「既存事業の規模拡大」では、自動車リース関連事業がやはり堅調です。推し進めている地方への展開は着実に進展しており、車両販売事業も実績を上げてきました。車両販売事業は次の新たな柱としての期待も大きく、当期においては、東大阪市で修理・メンテナンスを行うための用地を取得し、輸出等へ向けたヤードとして、機動性ならびに効率性の向上を図っていきたいと思います。
     ケミカル事業は、課題であった新製品による拡大が徐々に進みだしました。自動車整備工場向けとして販売を開始した自動車補修用ケミカル商材の塩害ガードが、好調を続けており、ヒット商品となっています。今後、新製品に関しては、移転し拡充した研究所が当期から稼働したこともあり、開発スピードが加速していくのではと期待しております。また、主力製品の一つである燃料添加剤は、当期において船舶向けとして新たな顧客獲得へ向け、道筋が見えてきました。加えて、東日本大震災以降の石炭燃料の需要増に伴い、当期では電力会社の受注が獲得できました。この受注獲得は、実績を重視する電力業界だけに、今後の展開を考えると大きい意味を持ちます。海外については、東南アジアで火力発電所の案件があり、現在、採用に向けテスト段階に入っています。
     パーキング事業は、当期も含め安定した拡大を継続しています。当期伸び悩んだ機械工具販売事業は、2社をM&Aによりグループ化しましたが、本格的な業績への寄与は来期以降となります。合成樹脂事業は、遊技機業界での型式試験方法の運用変更に伴う影響が、当期においても色濃く残り、思うような拡大が図れませんでした。
     「海外展開の強化」については、機械工具販売事業におけるタイの拠点を中心に、周辺諸国へのアプローチを推進しており、当期は顕著な成果を得ることができなかったものの、人的な増加も含め強化に努めております。ニュージーランドにおける車両販売事業は、小さい規模ながら順調に実績を伸ばしました。同国内での新たな販売拠点の設置に向けて検討を重ねており、来期では少なくとも1カ所を新設する計画です。
     「積極的なM&Aを展開」に関しては、当期に株式会社ゴンドーと昌弘機工株式会社(現:株式会社イチネンSHOKO、以下省略)をグループ化しました。いずれも機械工具販売事業に属しており、ゴンドーは九州の久留米市を中心に有力顧客への直販と販売店への卸を主要事業としています。昌弘機工は、自動梱包機・封緘機及び結束機等の製造・販売を行っており、今後は高い技術力を有するメーカー機能を活かし、グループ各社とのシナジーを推進していきたいと考えております。

  • 当面の目標である2020年度に向け、この3ヵ年の取り組みをお聞かせください。

     現在、当社グループは、2020年度(2021年3月期)「売上高1,000億円超・営業利益100億円超」達成へ向け、「規模の拡大」を重点テーマとして邁進しております。当期までの進捗状況をご報告しますと、売上高は堅調な伸びを示している一方、営業利益は15期連続増益という結果を残しているものの、当期目標の60億円を達成することができず、伸び悩みと言わざるを得ません。
     2020年度の目標達成へ向けて、この3ヵ年は「規模の拡大」に加え、「利益確保」が新たなテーマとなります。今後の利益確保のための取り組みとしては、まずは現在進めている新しい情報システムの導入を早期に完了し、より一層の業務効率化、労働生産性の向上、仕入コスト低減、販売費及び一般管理費抑制等に努めてまいります。また、顧客からの信頼を高めるため、商品の品質維持・向上は当然ですが、顧客への対応等の面でも質の向上に注力し、持続性の高い成長基盤を確立していきたいと考えております。
     事業戦略面では、海外事業の加速が重点課題です。その一つが利益率の高い車両販売事業で、ニュージーランドでのさらなる拡大に加え、他の地域・国々への進出が鍵となります。現時点では途に就いたばかりのアフリカでの本格展開を模索しています。
     もう一つは以前から海外拠点を有するケミカル事業(上海)と機械工具販売事業(タイ)の進展です。
     ケミカル事業では、アジアを中心とする各国の状況に合わせた製品供給がポイントとなります。とくに価格面での課題を抱えており、状況に応じた商社ビジネスでの展開も視野に入れています。
     機械工具販売事業については、空調関連製品が中心となります。現在、為替リスクの軽減もあって台湾で生産した製品を、東南アジアを中心に販売をしていますが、大手日系空調機器メーカーの世界展開に対応すべく、他地域への拡大を検討しています。とくに北米は有力な候補であり、早期に結論を出して次なるステップを踏みたいと思います。
     なお新しい海外の拠点づくりに関しては、可能な限り当社グループの事業全体を視野に入れた幅広い展開を想定し、実現していく計画です。
     国内については、ケミカル事業で、従来は仕入れていたプロユースケミカルの潤滑油が自社生産できるようになるなど、利益確保への取り組みも進んでおり、今後は、これまで以上にグループのシナジーを活かした生産・販売の推進が肝心となります。
     また、2020年度の目標達成に直接的に寄与するわけではありませんが、この3年間で農業における新展開の道筋をつけることができればと考えております。現段階は生産事業を推進していますが、将来的にはブランド化を図り、新しい販売チャネルの構築とも併せ持って、高付加価値商品による利益確保を目指してまいります。
     基本戦略の一つであるM&Aについては、収益ともに大きく寄与する可能性の高い、一定の規模を有する企業を対象に実施していく方針です。

  • 第57期(2019年3月期)の見通しをお聞かせください。

     第57期は「規模の拡大」「利益確保」をテーマに増収増益を目指してまいります。自動車リース関連事業は、地域本部制の組織整備が完了したことで、地方での拡大が加速するのではと見ています。また、車両販売事業の成長も主要施策となります。ケミカル事業は、引き続き新製品と燃料添加剤の拡販に注力してまいります。パーキング事業は拡大の加速、機械工具販売事業は海外展開とM&Aの推進がテーマとなります。合成樹脂事業は大手遊技機メーカーの新規開拓に目処が立ったこともあり、来期は拡大への期待が高まっています。
     当社グループは、「売上高1,000億円超・営業利益100億円超」の目標に向け拡大路線を進めておりますが、並行して推進しているのが「人」に焦点を合わせた取り組みです。性差のない仕事内容や人材の登用は業界に先駆けて実践しており、総労働時間の削減も、ここ数年で大幅に改善いたしました。夏季休暇では土日を含めた9連休を奨励しています。また、営業担当の従業員に対し、かつては残業を勘案した営業手当を支給していましたが、現在では営業手当を廃止し、労働実態に合わせた支給制度に切り替えております。海外事業・新規事業といった今後の展開を考えると、ますます「人」の重要性は高まっており、そのための投資も積極的に行っていかなければなりません。創業90周年にあたる2020年には新社屋が完成し、従業員に対してはより快適な職場環境の提供ができ、防災対策・セキュリティの強化が図れます。大きい投資となりますが、目標とする規模を達成すれば、イチネングループは新たなステージに立つことになり、多くの人材が新社屋を中心に活躍していくことになるでしょう。
     株主様におかれましては、これまで以上のご支援・ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。