経営情報

トップメッセージ

当期は企業の強みを発揮し、売上高・営業利益の過去最高を更新。中長期的に売上高1,500億円の達成を目指します。代表取締役社長 黒田雅史

第58期のポイント

  • 売上高・営業利益は過去最高を更新し、営業利益は17期連続の増益
  • パーキング事業が伸び悩み。主な要因は自動車利用の減少
  • 株式会社アクセスと株式会社浅間製作所が新たにグループの一員に

第59期のポイント

  • 景気後退の局面でも、事業の多角化と顧客の多様性という当社グループの強みを発揮
  • ケミカル・パーキング・機械工具販売の3事業は新型コロナウイルスが懸念材料に
  • 「スピードアップ」を経営テーマの一つとし、特に課題解決へ向けた取り組みに注力
  • 第58期(2020年3月期)のご報告をお願いいたします。

    当期は「規模の拡大」を基本として、「品質の向上」「海外展開」「M&A」を経営テーマに事業を推進いたしました。「品質の向上」は、当社グループが取り扱う製品の品質にとどまらず、営業活動を含めた対応力やサービス面での質的向上を目的としたものです。 事業の概況につきましては、中核事業である自動車リース関連事業が前期に引き続き堅調に拡大しました。利益面でも燃料販売の原油安による利益増もあり、セグメント全体の業績を伸ばしました。ケミカル事業は、計画予算には到達しなかったものの、比較的順調に推移しました。これまで着実に業績を伸ばしてきたパーキング事業は、当期に関しまして、やや伸び悩みとなりました。新規開拓は堅調でしたが、2019年10月の消費税増税の影響や、新型コロナウイルスの拡大に伴う外出自粛等により、駐車場の稼働が低迷した影響もあり、既存パーキングにおける売上高の鈍化が主な要因です。 機械工具販売事業は、空調関係が好調に推移したことに加え、前期にグループ入りした株式会社トヨシマ(現:株式会社イチネンMTM)及び当期にグループ入りした株式会社アクセスによる売上高の増加等、規模の拡大が図れました。これにより、セグメントの業績は増収増益となりました。 合成樹脂事業は、主力である遊技機メーカー向けの遊技機部品の販売増加により、堅調に推移しました。 その他事業の一つである農業に関しましては、分社した株式会社イチネン高知日高村農園が、下半期から始まった今作に関して当初計画を上回るトマトの生産量を達成しました。相場の変動により、売上高・利益ともにまだまだですが、生産力が確実にアップしたことが確認でき、先への期待が持てます。 経営テーマである「品質の向上」につきましては、売上高が順調に推移したこともあり、少しずつながら進展したと考えております。ただ「海外展開」に関しては、新たな国・地域へのアプローチは進展したものの、タイをはじめとする既存の国々では、第4四半期における新型コロナウイルスの影響も多少あってか、やや停滞気味でした。 M&Aは、前期に引き続きグループの拡大強化に寄与する企業(株式会社アクセス、株式会社浅間製作所)のグループ化が図れました。 以上の結果、第58期の連結業績は、おかげさまで消費増税や新型コロナウイルスの影響もほとんどなく増収増益を達成し、売上高・営業利益・経常利益は過去最高を更新、営業利益は17期連続の増益となりました。 株主様への期末配当金は、予定していました1株当たり20円に、今年6月に迎えた創業90周年の記念配当6円を加え、26円とさせていただきました。中間期の20円と合わせ、年間で46円となります。

  • M&Aで新たにグループ化した企業に対しどのような期待を持っておられますか。

    株式会社アクセスは、各種自動車部品・自動車関連付属品の卸売事業を展開しており、全国的な営業ネットワークを有した企業で、売上高は150億円規模です。機械工具販売事業の一員としてグループ入りしましたが、グループの各事業とのシナジーに期待しております。たとえば、取り扱っているブレーキクリーナーやパーツクリーナーは、ケミカル事業の株式会社イチネンケミカルズでも同様の製品を製造しており、今後はグループ内での取引が可能になります。また、主力事業が自動車部品や自動車関連付属品ということで、機械工具販売事業の各社はもとより、他の事業においても新たな販売先の獲得に寄与していくと考えられます。 株式会社浅間製作所は、名古屋市を本拠とする遊技機器部品の製造・販売事業を展開しており、遊技機業界で確固たるビジネス基盤を築いている企業です。同社は、遊技機部品の企画・開発力に特に強みを持っており、同じく遊技機メーカーを主力顧客の一つとする株式会社イチネンジコーとの連携を密に、一段と合成樹脂事業の拡大が図れます。

  • 第59期(2021年3月期)の見通しをお聞かせください。

    現在のような新型コロナウイルスによる影響が、いつまで続くかまったく見通せない状況です。したがって、この1年間は、国内外問わず経済全体が下振れすることが予想されます。当社グループにおいても、新型コロナウイルスの影響として、いくつかの懸念材料があります。 ケミカル事業と機械工具販売事業は、業界の様々な展示会が中止となっており、国内はもとより海外も同様で、その売上が期待できない状態です。また、パーキング事業では自動車、主に営業車の利用が極端に減ることが予想され、既存パーキングにおける収益が大幅に減少するのではないかと懸念しています。 グループ全体の業績の見通しについては、新型コロナウイルスの影響により、現時点においてその影響額を合理的に見積もることが困難であるため、未定としております。今後、業績予想の算定が可能となった段階で、速やかに公表いたします。 しかしながら、当社グループは、事業の多角化に加え、合成樹脂事業を除いてグループの各事業における顧客及びターゲットは、特定の業界や企業に偏っていないため、グループ全体としては、景気の変動による影響を大きく受けないという強みがあります。2008年から2009年に起きたリーマンショックの際も、業績が極端に落ち込むことはありませんでした。 また、当社グループの売上高・営業利益を牽引している自動車リース関連事業は、主力のリース事業が5年契約を基本としているため、新規開拓が多少鈍化したとしても、収益ともに堅調に推移することが予想されます。 ケミカル事業においても、燃料添加剤など、展示会中止の影響と関係のない製品もあり、極端な落ち込みは考えられません。生産を中止していた中国の取引工場は徐々に再開しており、当初は欠品を余儀なくされていた製品も揃ってきております。合成樹脂事業については、主力の遊技機部品販売に関して、当初2021年1月末までとされていた新基準機への入替期限が、新型コロナウイルスの影響を受けて1年間延長されたため、今年度の入替台数は、当初見込みより減少し、一部が翌年度にずれ込むと想定されますが、新たにグループ会社となった株式会社浅間製作所の業績貢献を期待しております。

  • 第59期の取り組みについてはグループ全体としてどのようにお考えですか。

    経営テーマは、「規模の拡大」を基本に、前期のテーマを引き続き推進いたします。その中でもスピードアップ」は様々な面で言えることですが、特に注力したいのは、課題解決へ向けての加速です。 一点目は、不採算またはそれに近い事業につきまして、安定した黒字体質への転換です。中でも機械工具販売事業における卸売事業の改革を進めたいと考えております。その第一段階として、2019年4月に5社を合併し株式会社イチネンMTMをスタートさせました。第59期においては、営業活動の見直しを図り、顧客の深掘りに力点を置いた攻めの営業を展開してまいります。また、管理体制や発注体制の見直しも行い、効率的な経営と利益を生む体質づくりに着手いたします。 同じく機械工具販売事業では、ロジスティクス事業の強化・拡大を図る計画です。大阪府東大阪市に危険物倉庫を設け、グループ内での危険物扱いの製品を集約するとともに、グループ外への営業拡大を図りたいと考えております。 二点目は、社員教育の強化で、特に次なる役員候補の育成に力を入れたいと思います。持続性のある成長を図るためにも、中堅社員の成長を望んでいます。

  • 最後に株主様へのメッセージをひと言お願いいたします。

    当社グループを取り巻く経営環境は、新型コロナウイルスにより、非常に厳しくなっております。多角的な事業展開や顧客の多様性により影響を受けにくいという強みはあるものの、当然のことながら安閑としてはいられません。創業90周年を迎え、100周年へ向けたこの10年間は、当社グループにとって、ガソリン車の急激な減少という大きな試練が待ち受けております。そのためにも急がなければならないのが、自動車リース関連事業以外の事業の拡大・強化であり、さらには新たな事業への進出による多角化の加速を図らねばなりません。 株主様におかれましては、より一層のご支援とご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。