経営情報

トップメッセージ

市場の変化への確かな対応で売上高・営業利益ともに過去最高を更新しました。代表取締役社長 黒田雅史

第60期のポイント

  • 売上高・営業利益ともに過去最高を更新し営業利益は19期連続で増益を達成

    自動車リース関連事業は、リース契約台数が順調に増加したことに加え、リース満了車の売却益が増加しました。また、合成樹脂事業の遊技機部品事業が大幅に業績を伸ばしました。これらが牽引役となり、売上高・営業利益は前期に引き続き過去最高を更新し、営業利益については19期連続で増益を達成しました。

  • 新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けたパーキング事業は底を脱して回復基調に

    前期は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により業績が落ち込んだパーキング事業ですが、不採算案件の整理と新規開拓に注力した結果、前期と比較しセグメントの収益は大幅に伸長しました。とくに営業利益は前期実績の約2倍となりました。

  • 積極的なM&Aで新光硝子工業株式会社と株式会社オートリをグループ会社化

    新規分野への参入として新光硝子工業株式会社(2021年10月1日付)、パーキング事業の強化として株式会社オートリ(2022年3月31日付)がグループ会社に加わりました。

第61期のポイント

  • Withコロナの浸透で展示会の再開が顕著となりケミカル事業と機械工具販売事業に期待

    展示会を重要な営業活動の場としてきたケミカル事業と機械工具販売事業にとって、第61期は追い風が吹きそうな気配です。新型コロナウイルス感染症の感染拡大で展示会は中止が相次ぎましたが、第61期は再開の動きが顕著で、業績への期待も膨らみます。

  • パーキング事業の業績は回復傾向に加え株式会社オートリの業績が付加されて大幅伸長の予想

    第60期に復活の兆しを見せたパーキング事業は、更なる経済活動の活発化が予測される第61期では、回復基調の加速が期待できます。セグメントの業績については、約200箇所のコインパーキングを有する株式会社オートリの業績が第61期から反映されるため、大幅な伸長が予想されます。

  • 海外展開の強化を図るため「プロジェクト200」が本格始動

    長期目標として「海外事業で200億円の売上高」を目指しておりますが、その推進役の「プロジェクト200」(海外事業拡大プロジェクト)が、アジアでのグループ拠点設置を目的に、現地リサーチを開始します。

  • 第60期(2022年3月期)における事業の概況をご報告願います

    自動車リース関連事業は、核となるリースが順調に契約台数を伸ばしました。地方市場及び中小口規模の企業をメインターゲットにした営業戦略により、前期に引き続き当期も安定して新規開拓による拡大が図られました。なかでも、これまで新規開拓が比較的低調であった株式会社イチネンTDリースが成果を上げた点は評価しております。自動車メンテナンス受託に関しては、懸念していた原価の値上りが予想を下回り、安定した収益確保ができました。燃料販売は、前期ほどではなかったものの、当期も引き続き好調に推移しました。最も業績を伸ばしたのはリース満了車処分及び車両販売です。半導体不足等により新車の生産台数が減少したことで、当期における中古車販売市場は一気に活性化し、販売価格も上昇しました。その結果、中古車の販売用車両をグループ内で調達できる強みを最大限に活かすことができ、リース満了車処分及び車両販売は前期を大幅に上回る利益を上げました。 ケミカル事業は、ケミカル製品における原材料価格の上昇を受けて、下半期から本格的に販売価格の改定交渉を顧客に対して実施し、安定した収益を確保することができました。また、メガネクリンビュー等のコンシューマ製品も順調に推移しました。一方、石炭添加剤は、カーボンニュートラルによる石炭需要の減少もあってか、販売へ向けた試験使用が進まず、伸び悩みました。 新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、前期に苦戦を強いられたパーキング事業は、回復基調に転じました。不採算のコインパーキングを整理する一方で、新規開拓に注力したことで、前期と比較し約2倍の営業利益を上げました。過去最高であった2019年3月期に比べるとまだまだですが、明らかに復活の軌道に乗ったと言えます。 機械工具販売事業は、当期、卸売事業の株式会社イチネンアクセスに一部の事業を移行し、産業・建機部品を主力とする企業に生まれ変わった株式会社イチネンMTMが、フォークリフトの好調もあって業績を改善しました。イチネンMTMについては事業の立て直しに取り組んでおり、2期連続で改善が進んだことは評価しております。イチネンアクセス及び空調関係の株式会社イチネンTASCOは順調に推移しました。ネット販売の株式会社イチネンネットは、グループ各社の製品の取り扱いを積極的に進めており、黒字化にもう一歩のところまできました。 合成樹脂事業は、遊技機部品事業が好調でした。遊技機部品以外の半導体関連(セラミックヒーター)や各種計測機器も、安定した業績を上げております。また、今年の4月1日付で株式会社浅間製作所と株式会社イチネンジコーとの合併を行い、株式会社イチネン製作所として新たにスタートしました。双方のノウハウ等を活かすことで、更なる成長を期待しております。 その他事業の農業は、高知県でのトマト栽培が軌道に乗り業績を伸ばしております。 セグメントではありませんが、非連結の会社を含めた海外事業についてもご報告いたします。アジアで展開している空調関連は堅調で、ニュージーランドでの中古車販売も好調を持続しました。 以上の結果、第60期連結業績は、売上高1,206億44百万円(前期比7.1%増)、営業利益86億23百万円(前期比14.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益56億46百万円(前期比87.2%増)となりました。 営業利益は19期連続の増益を達成しております。当初計画を大幅に超える営業利益の牽引役となったのは、自動車リース関連事業における燃料販売とリース満了車処分及び車両販売、合成樹脂事業の遊技機部品事業でした。また、自動車リース関連事業の着実な成長とケミカル事業の安定した収益性に加え、パーキング事業の回復傾向、機械工具販売事業の改善も業績に寄与しました。 株主様への配当は、期末を1株当たり23円と前期末と比較して3円の増配とし、中間期の23円(前年同期比で3円の増配)と合わせ、年間で46円とさせていただきました。ちなみに配当性向は19.6%となっております。

  • 長期的な視点での成長戦略について進捗状況をお聞かせください。

    現在、当社グループは、長期経営数値目標を「売上高2,000億円超」「営業利益200億円超」へ引き上げ、3つの成長戦略に取り組んでおります。 ①既存事業の規模の拡大 当社グループにおける既存事業は、いずれも成熟市場での展開であり、いかに安定した成長が確保できるかがカギとなります。中核事業である自動車リース関連事業では以前から地方都市への積極的な展開を進めており、着実な成果を上げております。他の事業との連携強化にも努め、グループ内外の様々な情報の開拓・共有による拡大を、今後も推し進めてまいります。 ②海外展開の強化 ケミカル事業や機械工具販売事業、自動車リース関連事業の車両販売等、当社グループの海外展開は、各事業の連携を模索しながら取り組んでおりますが、現時点では事業単位での動きが中心です。長期目標である海外事業で売上高200億円という目標を達成するには、やはりグループとしての拠点が必要となります。現在「プロジェクト200」(海外事業拡大プロジェクト)を立ち上げており、第61期(2023年3月期)から拠点づくりへ向け具体的に動き出しました。アジア圏を対象に、本格的なリサーチを開始します。海外展開の強化を図る上では、現地法人とのアライアンスやM&Aも視野に入れており、事業内容としては販売だけでなく生産も対象にしております。 ③積極的なM&Aの展開 5つの事業によるグループ一体経営は、様々な外的要因にもかかわらず長期にわたって当社グループの安定成長を支えてきました。ちなみに営業利益をベースにご紹介すると、2006年3月期から2022年3月期までの期間における年平均成長率(CAGR)は+8.8%となっております。 「規模の拡大」とともに推し進めてきた「多角的な事業展開」において、欠かせない戦略がM&Aです。今後とも機会があれば積極的に実施してまいります。その主な目的は、新規分野への参入と既存事業の強化にあります。 第60期では新規分野への参入として、2021年10月1日付で、新光硝子工業株式会社をグループ会社化しました。同社はガラスの曲げ加工で業界でも屈指の高い技術とシェアを誇っており、樹脂を使った合わせガラスも主要事業としております。また、既存事業であるケミカル事業や合成樹脂事業とのシナジー効果も、新製品開発や原材料の相互提供という面で期待できます。 また、既存事業の強化としては、2022年3月31日付で株式会社オートリをグループ会社化しました。パーキング事業に属し、同社は約200箇所のコインパーキングを有しております。業績への寄与は、第61期からとなります。

  • 第61期(2023年3月期)の見通しをお聞かせください。

    新型コロナウイルス感染症の感染拡大をはじめ原材料価格やエネルギー価格など、第61期における懸念材料は多々あります。幸い新型コロナウイルス感染症に関しては、Withコロナの浸透により経済活動がさらに活発化していくと思われます。今年に入り、ケミカル事業や機械工具販売事業では、コロナ禍で中止されていた展示会が復活しだしたとの報告もあります。コロナ以前の両事業における展示会は、営業拡大の重要な場でしたから、再開は朗報であり、増収増益への期待も高まります。 業績については、第60期よりもやや厳しい見通しを立てております。売上高はともかく、営業利益が増益になるか、現時点では予想がつきかねます。その理由は、第60期の営業利益が予想を超える好成績であったことに加え、営業活動の活発化に伴う販管費の増加、エネルギー価格の上昇による様々なコストの増加などが予想されるからです。

  • 最後に株主様へのメッセージをお願いいたします。

    現在、当社グループは、いくつかの課題に直面しております。EV化については、整備技術等でディーラーとの連携を模索しており、カーボンニュートラルへは、ケミカル事業や合成樹脂事業が再生をキーワードに製品開発を進めております。また、人材確保の観点からは、ポストコロナプロジェクトの提案として、人材の流出防止を目的にグループ内転職の制度化を検討しております。時代の変化とともに新たな課題は生まれてきますが、それらを一つひとつ改善していくことが持続性のある成長につながると考えております。 株主様におかれましては、引き続きご支援とご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。